黄色い手編みの毛糸のショールは、真心の手編みのショールでした。

長男が誕生し、1歳になった頃でしたから、もう27年も前の事です。手編みのショールをもらったのです。母がそれを私に手渡しました。母のおばから手渡されたと言います。母のおばとは親しく付き合ってきたわけではありません。共通していることは私たち家族が父の死にともなって移住した際に住んだ家にその時点で住んでいたということです。私は包みを開けました。ふっくらとした手触りの、手編みの赤ちゃん用のショールでした。丁寧に作ってあるのが伝わって来ました。私たち夫婦は、後日お礼のお菓子を持って、ご挨拶に伺いました。その方は笑顔で迎えてくださいました。私たちは心が和みました。笑顔で丁寧にお礼を言いました。その方が長男の1歳の誕生日を知っていて下さったことに驚きました。寒い季節でした。黄色い毛糸で編まれたものが尊く思えました。姪の子どもの子ども、その子供を思いながら編んで下さったのでしょう。今は懐かしい長男の写真の中に、この毛糸のショールはすでに写真の中でしか見れませんが、私たち夫婦の心の中には、確かに息づいています。現在は母は94歳です。この方はもう亡くなりました。母ももしかしたらこの方のことを憶えていないかも知れません。昭和20年の頃の白黒写真を、今も大切にしている母です。この方も集合写真に写っておられます。やさしい笑顔で。
ミキハウス福袋

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